2008年頃にサービスを開始してから多くの人に利用されてきたEvernote。
当時は競合がなかったのですが、最近では様々なサービスが登場していて乗り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。
私もEvernote歴8年になり、仕事とプライベートでもなくてはならないものとなっていますが、より良いサービスがあれば乗り換えを検討しています。
この記事では同じようにお考えの方の参考になればと思い、代替サービスとして候補に上がったものをまとめました。
候補に入れたものの試せていないサービスもあります。
有料版の価格は調べた当時のものになりますので、契約される前に再度ご確認くださいね。
求める機能を明確にする
代替サービスを探す前に自分が求めている機能を明確にすることをオススメします。
例えば、私は仕事・プライベートを含め全ての情報を一元管理できるものを求めています。
「こないだのメモはどこに書いたっけ?」
なんてことにならないように、すべてEvernoteの中にあるという状態にしています。
そのためには色んなファイル形式の添付に対応している必要があります。
写真・動画・音声・PDF・Excel・Webクリップも保存したい。
さらにWindowsでもAndroid、iPhoneからでもメモをしたい。
Evernoteはこういった使い方に向いています。
ですが、ちょっとしたメモだけに使う場合や、文章を書く作業スペースとして使いたいという場合はEvernoteよりも向いているサービスがあります。
無料で利用できるものも多いので、目的によって複数のサービスを使い分けてもいいですしね。
というわけで、使い方別で乗り換え先を分けてみました。
Evernote系の代替サービス
Evernoteのように情報の一元管理をできるようなサービスです。
Notion
- Mac OS・Windows・iOS・Androoid対応
- 無料・有料プランあり
- 無料プランはファイルアップロードが5MBまで
- Webクリップ機能あり
- Markdown対応
- TeX 記法
- wiki
NotionはEvernoteユーザーをターゲットとしてかなり意識していて、Evernoteのデータを簡単に移行できるようになってます。
Notionではテキストの段落や画像をそれぞれを1ブロックとして扱い、あとからブロックごと並び替えなどが簡単に行なえます。
以前は無料プランでは1,000ブロックまでの制限があったので、使い続けるには有料プランにするしかなかったのですが、2020年5月に無制限になりました。
無制限になったことで無料で使いたい方にもEvernoteからの乗り換え先として有力な候補になったと思います。
ノートの中に表やカレンダーを作成できたり、wiki、タスク管理など多機能です。
Markdownの対応や、簡単に綺麗なページを作成できることなどEvernoteより優れている面も多いです。
サイト記事の下書きに使ってみましたが、Markdownも使えるし、テキストエディタとしてかなり優秀です。
個人的には画像内の文字を検索できないことと、多機能なのに日本語に対応していないのが残念に思います。
ただEvernoteのような動作のもたつきがなくストレスがないので、乗り換え先としてまずオススメしたいサービスです。
OneNote
- Mac OS・Windows・iOS・Androidに対応
- Webブラウザ版もある
- OneDriveに保存されるので無料の場合は5GBまで
- 1ヶ月249円で50GB、1ヶ月1,274円で1TBに
Evernoteに近い機能を持つMicrosoftが提供するOneNoteです。
EvernoteからOneNoteへデータをインポートできるツールが用意されているので、乗り換えも気軽に行うことができます。
機能面はかなり似ているため、どちらを選ぶかは容量の問題と好みになるかと思います。
Scrapbox
- wiki
- Markdownのような記法が使える
- アウトライナー機能あり
- アプリがないWebサービス
- 無料
- 日本製
Evernoteからの乗り換え先として最近Scrapboxを選ぶ人が増えた気がします。
画像を貼り付けるにはScrapboxと同じ運営会社のサービス「Gyazo」を使う必要があります。
「新しいwikiサービス」として登場したScrapboxです。
今のところスマホに対応したアプリがないのが残念なところ。
Milanote
- Webブラウザに対応
- iPhone・Android対応
- 100ノートまで無料
- 100ノート以上は月額$9.99
クリエイティブな仕事のためのメモアプリ。
Apple・Google・Adobeなどの企業も使用しているそうです。
メインボードにノートや画像を貼り付けて自由に配置したり、それを線で繋げたりすることができる思考スペースといった感じです。
公式サイトには「クリエイティブ向けのEvernote」と書かれているように、ノート機能はもちろん共有やチャット機能もEvernoteと同様に備えています。
Slite
- Mac OS・Windows対応
- 無料版あり・有料版は$6.67/月
- 複数人での同時編集が可能
チーム向けのノート共有サービス。
Slackとの共有機能もあります。
Agenda
- Mac OS・iOSに対応
- 基本無料ですが、一部機能が有料
Quip
- 無料体験版あり、有料版$30~/月
GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントに近いサービス。
無料体験終了後は$30/月と少しお高め。
DEVONthink
https://www.devontechnologies.com/
- Mac OS・iOSのみ対応
Evernoteからインポートする機能があるようです。
Kibela
- 無料プランは5人まで、1人1GBのストレージ
- スタンダードプランは税込550円/月
- 「Blog」と「Wiki」の2種類が書ける
- Markdown対応
- ブラウザでの利用
情報共有ツール。
Google Keep
- iOS・Android・Webブラウザに対応
- 付箋メモ
- 画像ファイルしか保存できない
- プレーンテキストのみ
- 無料
こちらもよくEvernoteの代替サービスとして名前が挙がりますが、多機能というよりはシンプルなメモ帳アプリという感じです。
執筆向けのサービス
文章を書くことをメインにEvernoteを使っているなら、執筆することに重点を置いたサービスが向いています。
Dynalist
- Mac OS・Windows・Linux・iOS・Androidに対応
- アウトライナー
- Markdown対応
- 同期可能
- 無料あり・PRO版は$7.99/月
EvernoteというよりもWork Flowyからの乗り換え先として候補にあがることの多いDynalist。
「アウトライナー」というと使ったことのない人にはわからないかもしれませんが、箇条書きで文章を入力していき、階層構造を持たせることができます。
例えばこんな風に箇条書きができます。
- 見出し1
- 1段下げて本文
- 本文2行目
- 見出し2
- 1段下げて本文
で、こういったリスト的なものはEvernoteでもできるのですが、アウトライナーはこれを折りたたむ機能がついていることが多く、Dynalistにもできます。
折りたたむとこのようにスッキリします。
- 見出し1
- 見出し2
長文を書いていると目的の場所い辿り着くのも一苦労ですが、不要な箇所を折りたたんでおくと画面がスッキリします。
この折りたたみ機能は画面が小さなスマホでも長文を扱いやすくなります。
Dynalistは無料で無制限のアイテムとドキュメントを作成できます。
Evernoteでは動作が重くなってしまう約9万文字の長文をDynalistにコピペしてみましたがサクサク動きました。
Simple Note
- macOS・Windows・Linux・iOS・Androidに対応
- 画像は入れられない
- プレーンテキストのみ
- Markdown対応
- 同期可能
- 無料
サービス名の通り機能を絞ったシンプルなノート。
Bear
- iOS・Mac OSに対応
- HTML・Markdownに対応
- iPhoneとMac間での同期は有料
- ライター向け
iOSとMac OSにしか対応していないのが残念です。評判は良いです。
Ulysses
- iOS・macOSに対応
- 14日間無料で試用可能
- 月額4.99ドル、年額39.99ドル
- Markdown対応
- 同期可能
- ライター向け
サブスクリプションの有料アプリです。こちらもiOSとMac OSにしか対応していません。
Dropbox Paper
https://www.dropbox.com/ja/paper
- iOS・Android・Webブラウザに対応
- Dropboxのアカウントで利用可能
- Dropboxのストレージ容量を消費しない
- ライター向け
Work Flowy
- Mac OS・Windows・iOS・Androidに対応
- アウトライナー
- 同期可能
- 無料
アウトライナーといえばコレと言った感じですね。
リスト形式で文章を書いていくことができます。
Webクリップ
EvernoteをWebクリップとして使っていた人向け。
「あとで読む」系の有名な2つのサービスです。
- 無料で使える
- 有料版は500円/月
定番ですね。
気になった記事は一旦Pocketに入れて、あとで読んでから保存したいものだけをEvernoteに送ったりという使い方をしていました。
Instapaper
- 無料版あり
- 有料版は$2.99/月
プログラマ向けのサービス
Evernoteはコードのシンタックスハイライトに対応してなかったり、Markdownが微妙だったりします。
プログラマ向けにはそれに特化したサービスがあります。
Inkdrop
- macOS・Windows・Linux・iOS・Androidに対応
- Markdown対応
- 月額 $4.99 または 年額 $49.90
- 60日間のフリートライアルあり
- 英語版のみ
- 開発者は日本人
- プログラマ向け
Boostnote
- iOS・Windows・Linux・Androidに対応
- クラウド同期あり
- Markdown対応
- 日本製
- プログラマ向け
- 無料
オープンソースとして開発されていて無料で利用できます。
私が使ってみたときはクラウド同期がなく、Dropboxにファイルを置いてたのですが、現在は対応しているようです。
Quiver
- Mac OS・iOSに対応
- Markdown対応
- iOSアプリは1,200円買い切り
- プログラマ向け
Evernoteの今後
2018年に入りEvernoteが従業員をリストラ、CEOの交代などのニュースが流れ、このままEvernoteというサービスが存続できるのかという不安が一時は出てきました。
ですが、Evernoteは2019年から大きく変わろうとしています。
年始のご挨拶: これまでの進捗と 2020 年の取り組みについて | Evernote 日本語版ブログ
Evernote Webのベータ版を使っていますが、今まで対応していなかったMarkdownの見出しに対応したり、PDFのインライン表示ができたりと色々変更されています。
どのような変更をしているのかは、このEvernoteのYoutubeで見ることができます。
今までWindows版、Mac版、Android版、iOS版で操作性が違いましたが、今後はどのデバイスでも同じになっていくようです。
正式リリースにはまだ時間がかかるようですが、ベータ版の申込みは誰でもできます。
Evernote ベータ版テストプログラム – Evernote バージョン&製品テスト
Evernote Web版は申込みなしでもベータ版が利用可能になっていたので、一度ログインして確認してみると良いかもしれません。
とりあえず他のサービスを試しつつ、Evernoteの今後に期待したいと思います。