昔はOfficeと言えば買い切り型(永続版)のソフトウェアでしたが、最近ではサブスクリプション(月額・年額制)が増えたことで複雑になり、どれを買えばいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
一体どれが一番お得なのか、使う人によって違うので、わかりやすく比較検討してみました。
この記事でわかること
- Officeにはどんな種類があるの?
- 永続版とサブスクリプションの違い
- こんな人にはこのOfficeがおすすめ!使用用途別に紹介
Officeの種類
大きく分類すると3種類あります。
ライセンスの種類 | 特徴 |
---|---|
永続版 | ・従来からあるパッケージ版 ・買い切り型なので支払いは購入時のみ |
サブスクリプション Microsoft 365 |
・月額・年額制 ・使っている間は払い続ける |
プレインストール版 | ・PC購入時にインストールされてるOfficeアプリ |
永続ライセンスの特徴
- 従来からあるパッケージ版Office
- 買い切り型で一度購入すればサポート期限が切れるまで使用できる
- 購入後は一切料金がかからない
- 永続版はiOSとAndroidには対応していない
永続版は永久に使える?Officeのサポート期限とは?
永続版を購入すれば今後永久に使えるのかというと、そうではありません。
以前のMicrosoft製品は発売後、最低5年間のメインストリームサポートと、その後最低5年間の延長サポートが提供されています。
2つのサポートを合わせると合計で10年間のサポート期間がありました。
メインストリームサポートと延長サポートの違いをざっくり説明します。
- メインストリームサポート: 新機能の追加+セキュリティの更新が提供される
- 延長サポート: セキュリティの更新のみ提供される
つまり、延長サポートの期間を過ぎた後に脆弱性などが見つかっても対策はされず非常に危険な状態になってしまう可能性があります。
ですが、最新のOffice 2021では「モダン ライフサイクル ポリシー」というのが適用され、メインストリームサポートの5年間でサポート終了となりました。
Officeのバージョン | メインストリーム サポート終了日 |
延長サポート終了日 |
---|---|---|
Office 2013 | 2018年4月10日 | 2023年4月11日 |
Office 2016 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
Office 2019 | 2023年10月10日 | 2025年10月14日 |
Office 2021 | 2026年10月13日 | なし |
サポート期間が終了したら使えない?
延長サポートの期限が過ぎてもOfficeは起動できるので使い続けることはできますが、絶対にオススメしません。
ウイルスやランサムウェアに狙われる危険性が高まります。
ですので、寿命はサポート期間が終了するまでと考えましょう。
永続ライセンスのOfficeを選ぶ際は延長サポートの期限前に買い替えることを前提に考えましょう。
サブスクリプションの特徴
サブスクリプションとは?
アプリ(ソフトウェア)やサービスを申し込んだ期間だけ料金を支払い利用する方式です。月額○○○円、年額○○○○円といった感じです。
今までのOfficeは一度購入すればずっと使える買い切り型(永続版)でしたが、「Microsoft 365」というサブスクリプション型も選べるようになりました。
iOS・Andoridアプリも使える
iOS・Andoridアプリは無料でも使えるのですが、Microsoft 365の契約をするとフル機能が使用可能になります。
常に最新のバージョンが使える
Officeは2007、2010、2013、2016、2019、2021とバージョンアップしています。
新しいバージョンが出る度に買い替えていた人にはサブスクリプション型がオススメです。
「家庭向け」と「一般法人向け」の違い
Microsoft 365のプランは「家庭向け」と「一般法人向け」に分かれています。
家庭向け
- Microsoft 365 Personal
- Microsoft 365 Family
一般法人向け
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Apps for business
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
大きな違いは、家庭向けのプランは月額プランがありますが、一般法人向けプランは年額払いのみになっています。
「一般法人向け」のBusinessプランは個人でも使える!
「一般法人向け」のBusinessプランは、個人でも使うことができます。
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Apps for business
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
私が実際に個人事業主としてMicrosoft 365 Apps for business(旧称 Office 365 Business)の購入手続きした際の手順を記事にしましたので参考にしてみてください。
ただ一つ、注意点があります。
今までのMicrosoftアカウントが使えない!
「一般法人向け」プランでは、すでに使っているMicrosoftアカウントがあっても使うことができません。
新規のビジネス用アカウントを作成することになります。
もし、もう使っているOneDriveがある場合は新しくアップロードする必要があります。
Officeの使えるアプリと料金の比較
プラン | 購入方法 | 使えるアプリ | 使える人数 | インストール台数 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|
Office Professional 2021 | 永続版 | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Outlook ・Publisher ・Access |
1ユーザー用 | 2台のPC ※Mac版はありません ※Windows 10・11のみ対応 |
65,784円(税込) |
Office Home & Business 2021 | 永続版 | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Outlook |
1ユーザー用 | 2台のPC ※Mac対応 ※Windows 10・11のみ対応 |
38,284円 |
Office Personal 2021 | 永続版 | ・Word ・Excel ・Outlook |
1ユーザー用 | 2台のPC ※Mac版はありません ※Windows 10・11のみ対応 |
32,784円(税込) |
Microsoft 365 Personal | サブスクリプション | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Microsoft Defender ・OneDrive(1TB) ・Outlook ・Microsoft Teams ・Clipchamp ・Access(Windowsのみ) ・Publisher(Windowsのみ) |
1ユーザー用 | インストールは無制限 同時に5台まで使用可能 |
12,984円(税込)/年契約 1,284円(税込)/月間契約 |
Microsoft 365 Family | サブスクリプション | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Microsoft Defender ・OneDrive(1TB) ・Outlook ・Microsoft Teams ・Clipchamp ・Microsoft Family Safety ・Access(Windowsのみ) ・Publisher(Windowsのみ) |
1~6ユーザー用 | インストールは無制限 同時に5台まで使用可能 |
18,400円(税込)/年契約 1,850円(税込)/月間契約 |
Microsoft 365 Business Basic | サブスクリプション | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Microsoft Teams ・Outlook ・Exchange ・OneDrive(1TB) ・SharePoint ※Web版のみ! ※アプリをインストールして使えない |
1ユーザー | 5台のタブレット、 および5台のスマートフォン |
8,580円(税込)/年契約 715円(税込)/月 ※年契約のみ |
Microsoft 365 Apps for business | サブスクリプション | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Outlook ・OneDrive(1TB) ・Access(Windowsのみ) ・Publisher(Windowsのみ) |
1ユーザー | 最大で5台のWindows PCまたはMac、 5台のタブレット、 および5台のスマートフォン |
11,800円/年契約 990円(税込)/月 ※年契約のみ |
Microsoft 365 Business Standard | サブスクリプション | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Microsoft Teams ・Outlook ・OneDrive(1TB) ・SharePoint ・Exchange ・Access(Windowsのみ) ・Publisher(Windowsのみ) |
1ユーザー | 最大で5台のWindows PCまたはMac、 5台のタブレット、 および5台のスマートフォン |
17,952円/年契約 1,496円(税込)/月 ※年契約のみ |
Microsoft 365 Business Premium | サブスクリプション | ・Word ・Excel ・PowerPoint ・Microsoft Teams ・Outlook ・OneDrive(1TB) ・SharePoint ・Exchange ・Intune ・Azure Information Protection ・Access(Windowsのみ) ・Publisher(Windowsのみ) |
1ユーザー | 最大で5台のWindows PCまたはMac、 5台のタブレット、 および5台のスマートフォン |
31,548円/年契約 2,629円(税込)/月 ※年契約のみ |
使用年数と料金を比較
使用 年数 |
Office Professional 2021 | Office Home & Business 2021 | Office Personal 2021 | Microsoft 365 Personal | Microsoft 365 Family | Microsoft 365 Business Basic | Microsoft 365 Apps for business | Microsoft 365 Business Standard | Microsoft 365 Business Premium |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1年目 | 65,784円 | 38,284円 | 32,784円 | 12,984円 | 18,400円 | 8,580円 | 11,800円 | 17,952円 | 31,548円 |
2年目 | 65,784円 | 38,284円 | 32,784円 | 25,986円 | 36,800円 | 17,160円 | 23,600円 | 35,904円 | 63,096円 |
3年目 | 65,784円 | 38,284円 | 32,784円 | 38,952円 | 55,200円 | 25,740円 | 35,400円 | 53,856円 | 94,644円 |
4年目 | 65,784円 | 38,284円 | 32,784円 | 51,936円 | 73,600円 | 34,320円 | 47,200円 | 71,808円 | 126,192円 |
5年目 | 65,784円 | 38,284円 | 32,784円 | 64,920円 | 92,000円 | 42,900円 | 59,000円 | 89,760円 | 157,740円 |
価格はMicrosoftの定価(税込)です。
Amazonなどで買うともう少し安くなっていたりするので、チェックしてみてください。
使用用途別オススメOffice
永続版をWindowsで使用するにはWindows 10かWindows 11が必須です。
Windows8/8.1の方はサブスクリプションしか選択肢がありません。
Macであれば、永続版は「Office Home & Business 2021」のみです。
永続ライセンス版「Office Professional 2021」がオススメな人
サポートの期限が切れるまで使ったとしても、同じアプリが使える「Microsoft 365 Apps for business」のほうがお得です。
お店のポイントが貯まっていて、それで安く購入できたりする場合や、セールで安くなっている場合以外では、サブスクリプションを選んだほうがメリットは多いと思います。
永続ライセンス版「Office Home & Business 2021」がオススメな人
サポート切れまでの期間が3年に満たないなら、サブスクリプションの「Microsoft 365 Personal」のほうがお得です。
- PowerPointが必須な人
- AccessとPublisherは使わない
- WindowsとMac両方で使いたい
- PC2台にインストールできれば十分
- サポートが切れるまで3年以上ある
- スマホ・タブレットでは使わない
永続ライセンス版「Office Personal 2021」がオススメな人
一番シンプルなOfficeです。
サポート切れまで3年以上あればサブスクリプションよりお得です。
- Windows 10かWindows 11でしか使わない
- PC2台にインストールできれば十分
- ExcelとWordとOutlookがあればいい
- サポートが切れるまで3年以上ある
- スマホ・タブレットでは使わない
サブスクリプション型「Microsoft 365 Personal」がオススメな人
- 常に最新のアプリを使える
- WindowsとMac両方で使いたい
- 「Skypeの通話が毎月60分間無料」にメリットがある人
Microsoft公式から購入する
ショップで購入する
サブスクリプション型「Microsoft 365 Family」がオススメな人
クラウドストレージ(OneDrive)を1人1TB貰えます。
クラウドストレージが必要で、2人以上で使うならお得なプランです。
- 家族で使う人
- 常に最新のアプリを使える
- WindowsとMac両方で使いたい
- 「Skypeの通話が毎月60分間無料」にメリットがある人
Microsoft公式から購入する
ショップで購入する
サブスクリプション型「Microsoft 365 Business Basic」がオススメな人
こちらは安いのですが、Excel等をPCにインストールして使うのではなく、ブラウザでWeb版を使うプランになりますので、ご注意ください。
サブスクリプション型「Microsoft 365 Apps for business」がオススメな人
「Microsoft 365 Personal」は「Skypeの通話が毎月60分間無料」がついていますが、こちらはありません。
その代わり「Microsoft 365 Personal」より若干安いです。
- WindowsとMac両方で使いたい
- Microsoft 365 Personalより若干安い
- すでに使っているOneDriveアカウントがあるなら移行が必要になるので「Microsoft 365 Personal」の方が楽です
サブスクリプション型「Microsoft 365 Business Standard」「Microsoft 365 Business Premium」がオススメな人
こちらのプランは小規模な企業向けです。
「Microsoft 365 Business Premium」はセキュリティが強化されています。
ショップで購入する
1つのアプリしか使わないなら単品購入がオススメ
「Excelしか使わない」「Wordしか使わない」というような人には単品(永続ライセンス)でも購入できます。
1年以上使う予定があるなら単品のほうがお得です。
Microsoft Excel 2021
Microsoft Word 2021
Microsoft PowerPoint 2021
Microsoft Access 2021
Microsoft Outlook 2021
Microsoft Publisher 2021
安く購入したいなら互換ソフトの選択肢も
仕事で使うのであればMicrosoft Officeが一番ですが、安いとは言えないお値段がネックになっている方もいらっしゃるかと思います。
そんな方にオススメなのはOffice互換ソフトです。
完全に同じとは言えませんが、Microsoft Officeに近いアプリが無料もしくは格安で販売されていますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか。